うさぎの国を旅しました

〜 北ウェールズへGo! 〜
【4】
先日休日にこれまた観たビデオが『King of Arthur』
アーサー王伝説についてはローズマリ・サトクリフの物語で一挙に読んだので
まったく違うストーリーとしては楽しめるものでした
そんなアーサー王伝説にまつわる湖や伝説の地でもある
この国立公園のハイライトのひとつでもある
スノードン登山列車へGo!
さて、本来ならば前頁ですでにご紹介したかった
ウェールズご自慢の山『スノードン山』への登山列車
お天気と時間とほんの少しの装備があれば
列車ではなく自分の足で登ってみたい山と長い間思っていた場所でもありました
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しかし、そう思いつつ気がつけば何時までもその体力があるはずはなく
年齢と体力の反比例は皆平等に神様に与えられるもの
私とて例外ではありません・・・・![]()
今回は先ずは様子見も兼ねて(と、いくらか言い訳・・・
)
名物の登山列車を選びました
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また、ウェールズを語るには外せない石炭での蒸気機関車も
普段列車に興味のない私でもなぜか郷愁をそそるもの
“機関車トーマス”生みの国
大人も子供も大好きなこの国のお家芸でもあります
乗らずしてなんとしましょう!というわけで
お天気も上々なこの日は
1台につき56人しか乗れない可愛らしい列車を目にすると
自然にほころんでくる周りの顔を見ながら
これからの短い旅へ段々大きな期待が膨らんでくることに
非日常的なこの煙吐く蒸気機関車に
ここまで来て良かったな〜と思えてくるから不思議です![]()

蒸気を吐き出発万端な登山列車
では、いよいよ乗り込み約2時間半の登山列車の旅へ向かいましょう![]()
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【ウェールズ最高峰 スノードン山へ】
To Snowdon mountain
このスノードニア国立公園は
広さ約850マイルの広さがあります
英国内では2番目の大きさを誇る国立公園です
その内75%は民有地、13%が森林局、8%をナショナル・トラストだそう・・
この広大な公園をそのままの自然に保護するため
専属の修理班が居るにしても
何しろそのスタッフや住民の数は
訪れる観光客に比べたら
本当に1滴の雫にも相当する人数・・・
観光客が集まればお金も落とすけれど
同時に自然も壊してしまうこともあり、
そのためウェールズの人たちは
自分たちの大切なこの地を後の世代に残すため
この地を巣立っていった同胞が毎年夏にボランティア活動に訪れるそうです
その中には名優のアンソニー・ホプキンスも名を連ね、
彼はウェールズ北西部スノードニア・ナショナルトラスト会長を務めたり、
自ら牧柵の石を積みなおしたり、
開発ホテル建設用地を買い取り
永久保存のためその土地をナショナル・トラストへ寄付したり・・・・と
彼でなくてはできないことをやってのける・・・
そんな人々が集まって、現在のこの美しい風景を守っています

スノードン山を登る列車
本来ならば自身の足とそれで進む速度で見渡せる風景を見ることができたら
なんて感動的な旅になることでしょう・・
しかし、この地は1時間の内に4つの四季が体験できる、と言われるくらい
様々なお天気に変化します
ですから、足と体力に自信が揺らぐ私のような観光客は
この列車での短い旅がお勧めです
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この鉄道の全長は約7.4km
出発するこの駅「スランベリス」は海抜104m
山頂駅Clogwyn駅は1065m
この急勾配を蒸気機関車が1両の客車を押し上げるように進みます
すでにホームへ進んだ私たち乗客は
スタッフの方々が列車の扉を開けてくれるや否や
順番にお行儀良く乗り込んでいきます

列車へと乗り込む乗客たち
一般のガイドブックには
“北側には絶壁が続き、南側にはなだらかな草原の斜面”と案内されているので・・・
と思ってはみたものの・・一体どっちがその北側で南側なのかは判らないので
やっぱり順番に乗り込んでいけば・・・実際は乗ってみると中は結構空間があるので
どちら側も見渡せるように思いました
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1つの扉に対して向かい合わせの4人づつ、計8人がちょんまりと座ります
私も続いて乗り込み進行方向に向かって座ることができましたが、
帰りはこれって逆に進むよな〜・・・なんて・・・![]()
車内は比較的年配層が多いかしら・・という印象がありましたが、
何の何の赤ちゃん連れの若いご夫婦や
ちょっと変わったデート?という若いカップルや30代と見受けられるカップルと
様々な年代の人々を1席残らず飲み込むと
列車の扉を外からスタッフが閉めてくれて
万国共通“ピーッッーー”という汽笛と共に
ゆっくりゆっくりと汽車は動き出しました
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1894年に敷かれたというこのラック式のスノードン鉄道は
山頂に向かってほぼまっすぐに登っていくとの案内でしたが、
スランベリス駅を出てから暫くは民家の間を縫うようにして進みます
そして、その間にこの列車などに使う石炭置き場のような小屋や
お休みの貨車なども見かけました
![]() 石炭小屋・・? |
![]() お休み中の貨車・・? |
きちんと整列上に積み上げられた薪や石炭が盛られた車窓は
まだまだ登っている、という実感はありません
しかし、徐々に勾配が感じられる頃
そろそろその民家が少なくなってきて、木々が少なくなった時

徐々に登っていくのが判る頃
そして、あんなに晴れていたのに列車の窓から通ってきた線路を振り返ると
霧が出てきて、なんとなく高さが実感できてきました
そして、一つ目の駅Hebronに到着すると
すでの荒涼とした草原が見て取れる
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車窓から見る風景の空はそんなお天気の変化を予測させてくれるもの
そして、目を凝らすと細い1本の小道が見て取れ、
朽ち果てた古い農家の小屋が望めます

わずかに小さく人影らしきものも見える朽ち果てた農家の小屋
このHebron駅でわずかに停車して、
さらにえっちらおっちら登って進みます
次の駅のHalfway駅までにはさらに勾配はきつくなり
座っていても車窓が気持ち斜めに見えてきます
しかし、この線路に沿ってハイキングの小道があるので
時折その道を歩く人たちも見えてきます

左手前白い羊と中央は見えるハイカー
このあたりでは羊もちらほら見えてきて
放牧している所有の農家もあるのでしょう
そして、この山を登るハイカーの途中休憩所でしょうか・・・
窓から見えた小道に沿った小屋からそんな人々が休んでいる姿が見えました

麓から登ってきたハイカーたちの休憩所
そして、列車はそんな風景を見せてくれながら
Rocky Valleyへと進みます
ここで私の左袖を引っ張ってくれたお隣のカップルの女性が見せてくれたのは
眼下に望む山々と美しい谷でした
これがこの頂上ひとつ手前の駅のRocky Valley
![]() 徐々に見えてくるRocky Valley |
![]() 乗客は皆一様に谷に釘付け |
![]() さらに谷を登る列車の車窓から |
![]() 線路に沿った登山小道と奥に見えてきた湖・スリン・オグウェン湖 |
そして、とうとうこの電車の終点駅「Clogwyn駅」に到着しました
途中アーサー王の剣エクスカリヴァーが永遠に沈んだと言い伝えられる湖です
蒸気機関車を動かしてくれたスタッフが車両の扉を開けてくれた途端に
乗客の私たちは歓声を上げながら
このスノードン山の頂上近くにこの場所へ飛び出しました![]()

列車から出てくる乗客
お天気にも恵まれ、風強いものの・・・と、
言ってもやっぱり想像以上に寒かったーー
しかし、180度パノラマのこの風景はやっぱり来て良かった![]()
寒さなんて気にならないとは言えないけれど
この国の人々が誇りにする神聖な山スノードンははるばる来た甲斐がありました![]()

グラスリン湖とスリダウ湖
麓の街では多少暑苦しかったジャケットが
ここでは足りないくらいの強い風に負けないように見渡す風景は
眼下にくっきりとその姿を見せてくれた細長い2つの湖
グラスリン湖とスリダウ湖です
そこに連なる草原と山々は正にウェールズ1とも言われる美しい1枚の絵のような風景
そして、反対側は荒々しい山肌を見せる風景に圧倒されました
何故ならば、この険しい崖は世界でも第1級の登山家たちの世界となるそうです
世界で初めてエベレストの初登頂に成功した
英国調査隊のエドモント・ヒラリー卿もここで訓練を積んだ後、
挑戦したのが世界最高峰のヒマラヤだったのです

湖とは反対側の荒々しい山肌の峰と谷
現在もこのV字谷とU字谷に吹き付ける風と氷雪は
ヒマラヤ、アルプス、パタゴニアと世界で高山を目指す登山家たちの絶好の練習になるそうです
そんな自然環境の1部をここで私たちは強い風の中肌で共感し、
感嘆の声を上げ、
この駅に停車30分という短い時間を有意義に過ごそうと
この駅のあちらこちらを散策していました
![]() 湖を見る乗客たち |
![]() 頂上を撮る乗客たち |
そして、ここまで来た小さなこの汽車とこの山頂の駅と
![]() 引っ張ってきてくれた汽車の前方 |
![]() 頂上駅のClogwyn |
もうここまでしか行けないけれど山の頂上まで作られた上へ向かう線路は続く・・・

線路が続くスノードン山の頂上
ここからこの列車を降りて頂上を歩き、
下りは約2時間かけてハイキングを楽しむことも可能なので
やっぱり次回は是非来る前に
靴や服装の装備と時間配分を考えて挑戦してみたいと思いました![]()

なだらかな風景と一緒に山頂駅にて
そして、山頂での停車時間約30分はあっという間に経ってしまい、
列車のスタッフの呼び声に私たちは内心この場所で冷え切った体に
暖かい車内へ戻れることにちょっとほっとしながらも・・
またまた来た時と同じ座席に戻り、
そして、下りの線路を登ったときとまったく同じように車窓を飽きることなく眺め、
体が徐々に温まる嬉しさと一緒に
最後までこの汽車の旅を楽しみました![]()
![]() 羊が見え隠れする草原と山 |
![]() その名の通り丁度真ん中の駅Halfway駅 |

![]() 出来立ての頃の古い写真や 資料や新聞記事 右は同じくプレートや 蒸気機関車のエンジンブレーキ 乗車してきたばかりなので足を止める人が多かったです |
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思いのほか長いページになりました
しかし、改めて『ウェールズの山』は映画の如く
この国の人々ご自慢の場所であること
彼らが“鷲の座”と呼ぶ山が本当の名だということ・・
夏でも肌に刺さるような風を感じて、そう思いました
このページに関しての皆様のご意見・ご質問をお待ちしております
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